仕事とIT

 組織で仕事をするとき、言葉や文書は大切。決まったこと・知識・情報の伝達は文書を通してしか正確に伝えられず、残らず、伝承されない。

 情報の伝達方法としては、ITの活用が最適(IT=Infomation Technology)。

 現代においては、読み書きそろばんとはITを使えると同じこと。

 仕事が、多くの人の協力を得て、すばらしいことをなし遂げることだとすると、ITを活用することで自分の能力を多くの人の協力を得るために使えることは、とても大切です。

 何かを決めたら、それを必要とする人に、情報として届けることが必要。ITは、このために必須の技能・技術になっているのです。読みやすい文書にし、メールや、グループウェアや、HPに出すことにより、多くの人に必要な情報が、正確に・かつ同時に、しかも無料で届くことになります。

 手書きの手紙を封筒に入れて、切手を貼り、郵便局に持ってゆくことを考えると、その費用と手間の違いはとても大きいですね。

タッチタイピング

 ITを使いこなせるかどうかの大切な一歩が、タッチタイピングです。正確に、速く、ITと対話し、入力するための大事な技能がタッチタイピング。

 タッチタイピングは、かっこいい! 考えながら、他の文書を読みながら、話をしながら、手はキーボードの上で素早く入力できます。

 タッチタイピングは難しくない

 だれでも、訓練すれば出来るようになる技能。こつは、Fキーの上に左の人差し指、Jキーの上に右の人差し指を乗せるだけ。それぞれのキーには、突起がついていて、触ると触感でそれと解ります。後は他のキーを手と指の形と手探りで指に覚えさせる。

 お勧めの練習法としては、アルファベットを順に数文字ずつ、指に覚えさせる方法です。ただ、ランダムに全部というより、26文字しかないアルファベット順に指に覚えさせるのです。この方法でやってみると、早い人では数十分で手が動き出します。

  覚えるポイントは、人は「意味あるかたまりで覚える」ということ。a,b,cなどの単独文字を別々に覚えるより、「abcdefg」まとめて、その順で指に覚えさせる方が、簡単なのです。自分なりに、覚えやすいまとまりを工夫してみましょう。

エディター

 エディターというのは、文字だけを扱うソフトです。文字の大きさや色などは扱いません。目的は、とにかく、文字を入力し、文章を校正し、単語を調べたり、編集したりといったこと。機能を絞り込んでいるだけに、快速で、高速で、なんどでもやり直しができることが特徴です。

 ソフトは、プログラマーがプログラムを作るのに適したものを自分で作ってしまうことも多いことから、昔からフリーソフト(無料で使えるソフトのこと)の優秀なものが沢山あります。すばらしいものは、有料化することも多いのですが、使い込んでくると手放せなくなるものです。料理の包丁に相当するものですね。

 有料化したソフトとしては、日本生まれのEmEditorが有名。フリーソフトでは、ネットで検索すると沢山ありすぎて、どれを使ったらよいか困るほど。

 とりあえずのお勧めは、メモ帳代替で使うならばサクラエディタ、Terapadなど。ホームページ作成やメンテナンスではez-HTMLがお勧めです。相互に関係する複数のファイルを統合的に管理できるすぐれもので一式完備といえるソフトです。なお、サクラエディタにはhtmlの構造解析機能までついています。

 ネットでeditorで検索すると沢山出てきます。FreeSoftはそれぞれ個性や完成度が違い一長一短がありますが、Win付属のメモ帳よりははるかに使いやすい。どのエディターも、カスタマイズといって、自分の好みに修正できる機能が豊富です。自分のパソコンスキルレベルの常用機能に限定し、行No表示無しにするなど画面を簡単にした方が見やすいかも。

 エディターで特に使いやすい機能は?、
 ファイル履歴機能・検索・置換・オートインデント・文章の差異比較などと、豊富なカスタマイズ機能。カスタマイズで、自分の使い方に合った道具に作り変えることが出来ます。

 

エディターの効用: インターネットの情報取り込みに活用

 文字情報取り出し用のフィルターの機能

 エディターを使うと、インターネットの情報を自分なりに活用するときに便利。インターネットの画面からコピーして張り付けるときに、エクセルなどでは、文字の大きさや色や他へのリンクなどの隠されているものが邪魔になることがあります。一度エディターに貼り付けることで、文字情報だけにできるのです。

 エディターに貼り付けたものを再度コピーし、目的のところへ貼り付けます。

 エクセルなどの情報を文章に引用したり、逆のことをするときにも便利。

 意外なのは、エディターが、インターネット用のHP作成に使えること。プロは、高価な専用ソフトと、万年筆などの道具に相当するエディターでホームページを作成・編集しているようです。エディターの方が詳細な設定がしやすいようで、アメリカでプロのHP作成にEmEditorが利用されている背景には、膨大なプログラム内容の管理に便利なためとのこと。

 ez-HTMLではHP作成で、cssやhtml文書の雛形が自動生成されて便利に使えます。保存し、ExplorerやFireFoxなどのブラウザで見るとどんな形になっているかがわかります。

 実はこのページもez-HTMLややEmEditorで作成しました。

データベース

 仕事では、同じ形の情報が大量に発生することが特徴です。受注・発注・納品・仕事の実績などは、帳票型で一行の中に同じ項目名に顧客の会社名・品名・数量・納期・単価などが記入された情報として積み重ねられます。

 データベースの代表的なイメージは、電話帳。電話番号がデータ特定のキーになり、氏名・会社名・住所などがデータの内容になります。情報を特定するキーは、電話番号です。同じ番号は1つのみ(=ユニーク)が保証されています。マンションなどで同名、同住所でも番号が異なることで正確に電話が掛けられます。

 こうした情報は、紙に書かれている場合と、コンピュータシステムで取り扱うのとでは、利用効率に極端な差が出てきます。コンピュータは、数万から数十万の似たようなデータから瞬時に、必要なデータを見つけ出し(抽出)、関係するデータを結びつけ(結合)、合計を計算(演算)することが出来ます。

 インターネットでは、世界中の知識データベースから、瞬時に自分にとって必要な情報を調べて表示することが可能になりました。

 会社の売上や納品状況や品質や経営数値などの実績を表示する、経理ソフトや業務ソフトといわれるものは、全てがデータベースソフトに分類されるものです。個人で使えるデータベースソフトとしては、マイクロソフトのアクセスが代表的なものです。

データベースの入力プログラム作成は素人無理、でも活用なら別

 正規化に注意

 正規化というのは、データベース特有の考え方です。品名や品番のように、そのものを特定するものが、同じものには一種類のみとするということ。電話番号ならば、1つの電話に1つの番号。ところが、1234と1234では、CPUは別の言葉になります。全角文字と半角文字は、コンピュータの情報取り扱いでは別のもの。

 品名でも、人間ならばあひるアヒルは同じとも考えられますが、CPUでは別のものです。日付なのか文字なのかや、文字と数字も見た目には全く同じでも、コンピュータでは別のもの。この部分がしっかりしていないと、システム上では混乱が発生します。これを防ぐための仕組みが、マスターを使って入力を支援することや、入力形式を規定するなどの入力データチェックシステムです。

 登録されている正しい情報だけで入力を受け付けるシステムにすることで使えるデータになり、コンピュータの性能を活かすことができるようになります。不良データの入力防止の取り扱いが必要なので、入力システムをシステムに精通していない人が作るのは至難の業になります。

 このような処理例としては、都道府県の入力画面で都道府県の一覧表が出てきてその中から選択するように促す画面が出てくるのがそうです。誤字や脱字で存在しない都道府県が入力されないようにしてるんですね。

 コンピュータの高速処理性能を活かすためには、重要なキーワードになるデータの正規化が欠かせません。ただし、これは現実には案外難しいことなのです。品質改善の為に微妙に異なったものになってゆく製品の番号をどのようにつけるか?なんて問題もあります。データを取り扱う場合の永遠の課題といってもよいほど本質的な問題なのです。

 でも、既にあるエクセルなどのデータをアクセスのデータベースの機能を使って調べると、エクセルでは大変苦労しなければいけないことが、驚くほど簡単に出来てしまう。しかも、調査プログラムとして登録が出来るので、一度作れば必要の都度呼び出して使うことが出来ます。

 アクセスからエクセルファイルに対して、リンクすることができます。リンクすると、アクセスの内部データと同じ取り扱いが出来るようになります。抽出や結合などの機能を使って、必要な調べものをすることができます。エクセルはそのままでも、抽出項目や条件を変更し、集計し直すことができるので、調査・分析が、とても簡単になります。ただし、出てきたデータが目的のデータであるかどうかは、データが正規化されているか、同じ内容のものが別の内容で登録されていないか?の調査も必要なことがあることは、自覚しておく必要があります。

 膨大なエクセルデータから必要な項目だけを抽出するのは大変ですが、アクセスにリンクし、アクセスの窓からエクセルを見ることで、必要な項目だけを、必要な順番に並び替え、さらにその中から対象データ群のみを抽出するといったことが、簡単に出来ます。

 データベースについて、初歩的に勉強しようとおもったら、いろいろなサイトがネットにあるので、まずはそちらを一当たりしてみたら良いでしょう。魔法使いの開発工房さんのサイトのアクセス2002基礎知識篇などもお勧めです。プロと同じレベルにはならなくとも、システム屋さんの言っていることが理解できる程度には知っておきたいですね。

IT役立ちソフト

ネットワークの知識
 ネットの世界では、あるところから別のところに確実に情報を送り届ける仕組みがあるのです。そうした技術である、TCP/IPやDHCPなどの仕組みをネットで学べます。基礎知識がちょっとできるだけで、LANやインターネット接続の考え方が解るようになり、接続方法の問題点などがシステム屋さんに的確に相談できるようになります。

表計算
 エクセルが代表的。データベース情報の貼付利用や修正にも使えます。シミュレーションやグラフ作成も可能。文書作成用のワードが表を扱いにくいために、文書作成にもよく使われ、最もよく使われるビジネスソフトです。

ワープロ ワード、一太郎など、印刷する文書作成用
プレゼン
 アップルのスティーブ・ジョブズに学ぶのがよい。
 ・@紙と鉛筆
  まず第一にすることは、紙に、手で、イメージやストーリーを書くこと。
  要点を3つに絞り込む。絞り込みと、表題(70文字以内)コピー作成がカギ。
 ・Aプレゼン設計
  できたストーリーを多くの人に伝えるシナリオを作る。
  聴衆・説明する人・場所や舞台・見せるモノ・順番など、演劇の台本と同じ。
  内容を絞り込み、短い、解りやすい、ことばをつかう。絵やイメージ化を行う。
 ・Bパワーポイントで資料作成
  パワーポイントは、多くの人への説明や報告に不可欠。講演では必須。
  文字を大きく、文字数を減らす画面が特徴。
  特に、会社の紹介や商品説明には役に立ちます。
  会社の履歴・経営方針・実績推移・事業の特徴なども、パワーポイントが有利
 ・C練習
  プレゼンの練習を行い、内容をチェックし、修正する。

写真・イメージ ペイント(Win付属のソフト)、写真機付属の写真編集ソフトなど、

動画 Win付属のメディアプレイヤー、GOM PLAYERなど

写真の取り扱いで便利なソフト

 ・写真のファイル名一括変換
 写真は、行事ごとに沢山とりますが、カメラ作成の連番ファイル名では、後になるとなんの写真か判らなくなります。行事名や日付と連番付けができると整理するのに便利です。お勧めはフリーソフトのAllrename(お〜瑠璃ね〜む)です。
 ・写真の容量を一括変換。
 写真の縮小専用のフリーソフト縮小専用。最近の写真機は、メモリーの容量拡大で高精度で撮影できるようになりましたが、ファイル容量が大きすぎて後の取り扱いに困ります(メール送信・画像貼付ファイルの容量Up・ディスク容量オーバーなど)。撮影する時は後のことを考えて高精度で撮り、保存活用する時は高精度不要なものは一括してサイズ縮小できると、助かります。画像サイズと、写真の解像度やピクセルと画素数の関係を理解しましょう。

PDF 配布用文書の作成にはPDF作成ソフト各種が便利、閲覧には無料配布のAdobe Readerが使えます。ソフト上の印刷機として動作し、紙ではなくPDFファイルを出力する。作成・編集(分割・結合・書込みなど)・パスワード設定などができる。瞬簡PDFなど。

メール
 Win付属のOutlookなど。
 有料ソフトの、Becky2が便利。プロバイダ側にあるリモートホストのメールを表示でき、新着メール状況チェックや、スパムメールを取り込む前に削除できるなど必須機能が豊富。
 yahooやgoogleは無料でネットブラウザ上で使えるweb-mailを提供しています。

グループウェア
 組織の情報共有・業務運営にグループウェア(94岡山県自立化推進研究会編)が役立つ。ネット上で、情報と指示・報告を共有することで、時間と空間の壁が消える。会社内・出張先・海外でも、稟議や指示・報告が関係者全員で共有でき、コメントを付けられ、そのコメントも共有できることでチーム内の多様な見方が全員に伝わります。新しい時代のビジネス環境を活用できます。

ホームページの作り方・表現技術の基礎 : HTMLとCSSの理解
 現代はインターネットで交流する時代。画面に情報を表示する基本技術のHTMLやXHTMLは、意外なことにテキストファイルで、通常の文章に表示制御用のテキストのタグを記載しただけのもの。誰でも少し勉強すれば、画面表示のための仕組みがわかります。

 ホームページを作ることも、基本の学び方を簡単に教えてもらえるサイトさえ知っていれば、本を買わなくても誰でもできるようになります。私は、「ホムつく講座」の初心者さんのためのホームページ作成講座で教えてもらいました。

 ホームページの作成に必要なのは、ほんのちょっとの知識と、エディターだけ。後は、世の中に公開する勇気がいります。無料のブログやツィッターもあります。自前で作るならば、無料サンプルと月間100円のレンタルサーバーか、プロバイダーの無料サービスで出来てしまいます。

 ホームページを、自分の考え方を世に問う手段と考える時に、その意義は計り知れないものがあります。企業経営者になろうと考える場合は、最も大事なのは自分の考え方と、それに対する協力者を広く集めることです。HPほどそれに向いているものはありません。単なる公式パンフレット配布装置ではないのです。

ホームページ作りにお勧めのソフト
ez-HTML
 フリーソフトです。これ一つで、htmlのソース群の編集と表示の確認(IE, google chrome, FireFoxなど)ができます。
FFFTP
 フリーソフトです。パソコンとリモートディスク間のやり取りができます。日本発のソフトだけあって、リモートディスクの日本語ファイルネーム取扱いができるすぐれもの。単にホームページ作りだけでなく、ネットドライブ上のファイルの取り扱いができるという機能もあります。通信回線が問題発生の時のリカバリーなどの課題も考えられますが、機能面では素晴らしい。

経理ソフト
 会社と個人との違いの特徴は、会社の場合は会計年度ごとに決算書を会社の総会や税務署や銀行に提出しなければならないこと。そのための必須の手段が会計ソフトにお金の出入りなどを記帳すること。会社では経理が重要な仕事になっています。経理の人が扱うのが経理ソフト。

 当組合では、経理ソフトの使い方を覚え、フィナンシャルリテラシーとも言われる財務の知識を身につけるために、個人で使える経理ソフトとして、1万円で購入できる本格的経理ソフトである「わくわく財務会計スタンダード」を推奨しています。

 経理は、本で覚えるより、データを入力してその結果をP/LやB/Sに即時にできる経理ソフトを使ってみることで、納得して体で覚えられるようになります。まずは、自分のお金の収支を記帳してみましょう。すぐにピンと来るようになります。
 経理ソフトを利用した時の、お金のやり取りと時期の整理機能を組み合わせた、縦横の一覧表作成して分析できる機能は、紙の上で手で記帳することでは得られないものです。縦(会計科目)と、横(過去3年間、4Q、月次の期間毎の)を一覧で見ることで、お金の面からみた事業分析が簡単にできることが、経営にとってどんなに大切なものかはやってみればすぐに解ります。